美波病院

施設名美波町国民健康保険美波病院(美波町)
制作場所待合、階段踊り場(1階)
制作期間2020年12月
内容木々、鳥、地域の花、お遍路さん、田井ノ浜
現状現存

県南の美波病院は2つの病院を統合して新築された、開院4年目の新しい病院です。非常に明るく清潔な院内で、装飾はほとんどありませんでした。制作時期がコロナ禍と重なり、短時間で仕上げられるよう工夫が必要でした。

そこで今回はできる限り事前に準備し、現場ではそれらを設置する最低限の作業とすることを目指しました。これまでのようにマスキングテープを直接壁に貼ってモチーフを作るのはそれなりの時間を要するため、フィルムシートやマスキングシートを活用し、それらの上にあらかじめ作っておいたものを現場に持っていくようにしました。

大学での準備作業。フィルムシートの上にマスキングテープを貼ったものを用意する。大学への入構禁止期間中には、材料を自宅に送り、各自で作業した。
mtシート上にマスキングテープを使って花のモチーフを制作。このシートは漆喰を用いたもので、抗菌・抗ウイルス効果が高いという。
木々の制作にあたり、太いマスキングテープを用いて単純な幹を貼る。
幹の上に、あらかじめ用意してきたフィルムシート状の葉を設置。
木々を制作したのは待合と職員スペースの間の職員通用扉の周囲。職員さんが緑の中を気持ちよく出入りできるように考えた。
漆喰シート上に作った花は待合の床に近い部分に貼り付けた。天井に近い方には、やはりシートで型を取っておいた鳥を設置。
地域ゆかりの花3種。美波町の花さくら。
病院近くに群生地があるはまぼう。
旧由岐町の花つばき。
床に近い部分には、やはりシートで型を切り抜いたお遍路さんも。
待合に設置した鳥はTHALコンテスト優秀作より。
階段に制作した太陽もTHALコンテスト優秀作の子どものアイディア。
階段踊り場には、近くの海岸田井ノ浜を制作。あらかじめ用意してきたフィルムシートを組み合わせ、海のグラデーションを作る。
田井ノ浜。新病院は災害対策として高台上に建設され、海が見えなくなったという。
階段踊り場。フィルムシートを活用したため、細かなモチーフの制作はできなかった分、逆に大胆な構図による大作が可能となった。階段にもお遍路さんを設置。

事前準備の甲斐があり、以上の内容を3回の作業で仕上げることができました。制作過程を見ていただきながら楽しみにしてもらうということは叶いませんでしたが、職員アンケートの結果も好評で、報道でも大きく取り上げられました。

美波病院での制作の詳細についてはこちらをご覧ください。